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  • ★「3.11からの悪夢」   -奈良原樹里-
    6月5日アップ. ぜひ、ご一読ください! http://sayonaragenpatsu.cocolog-nifty.com/blog/2012/06/311-ae2e.html ★★★ −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
  • ♦ドイツ-メルケル首相はなぜ「原発推進」から「脱原発」へ?
    http://www.youtube.com/watch?v=YvZOA1NizEg 「メルケル首相"脱原発"の裏側」 TBS報道特集2012/03/24
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2012年6月 5日 (火)

「3.11からの悪夢」   -奈良原樹里-

ブログ読者の奈良原樹里さんから、すばらしい文章が届きました。

ぜひ読んでください。

「3.11からの悪夢」 

  
 2011年3月11日から、悪夢が始まった。

 その悪夢は終わらないどころか日々、拡大しているのだが、何があってもこれまでのやり方を変えたくない人々の強引さと、運を天に任せることが習い性となってしまった哀れな国民性によって、次の悲劇が準備されようとしている。

 福島第一原発事故の捜査も責任の追及もされていない状態で原発再稼動を進めるのは、二度目の事故への布石のようなものだ。

 もし大飯原発で大きな事故が起きれば、琵琶湖の水が飲めなくなり、関西地方の広範囲の土地が放射能汚染の被害を受ける。「それでもいいから発電して欲しい」と、関西圏の住民は考えているのだろうか?東京では昨年4月から今年2月までの11ヶ月間で、水道局の収入が前年に比べ、98億円も減った。減収の理由は、都民が水道水を飲むのをやめ、飲用や調理用の水を買うようになったからだと言われているのだが。


 3.11から一年と少しの間で、私たちは日本という国が抱えている「どうしようもなさ」を嫌というほど見せつけられることになった。それは、

●地震の巣のような国土の上に54基もの原発を建立し、さらに増やしていく計画があったにも関わらず、いざ事故が起きた時の対策は何も考えられていなかったに等しいこと

●法の不備もあり、右往左往する政治家たちが耐え難いほどの無能ぶりをさらけ出したこと

●事故の直後から、御用学者と呼ばれる人たちがテレビで詭弁を弄し、私たちを騙そうとしたこと

●政府も東電もあらゆることを隠し、嘘をつき通すという卑劣な方法で人心操作をはかるのがよく見えたこと

●東電幹部と言われる人たちは傲慢で無責任で、企業の社会的責任とは無縁であるらしいこと

などだが、これらはすべて、この国の将来に不安を感じさせることばかりだ。 

 終わらない悪夢の始まりとなった東日本大震災の発生は、2011年3月11日(金)14時46分である(死者・行方不明者を合わせると、震災と津波で1万9千人近くが亡くなった)。福島第一原発は全電源を喪失し、翌12日からシビア・アクシデント(過酷事故)が発生する。

 まず、12日の15時36分(ベント開始から約五時間後)、一号機の建屋が爆発した。

http://www.youtube.com/watch?v=B3_ZRO5oATk&feature=related

 翌13日から14日にかけて二号機と三号機のベントが行なわれるが、14日の11時01分、三号機の建屋が爆発する。http://www.youtube.com/watch?v=pVp2NnY16g0

 さらに15日の朝6時10分、「二号機で爆発音、圧力抑制室の圧力が低下」、続いて9時38分に「四号機で火災」と報道される。http://www.youtube.com/watch?v=jbqZF4PiJtI

 一号機と三号機の爆発映像はテレビで流されたが、二号機と四号機に関しては(意図的にか)、映像があまり出なかったと記憶する。四号機から煙が横にもうもうと流れている外国のテレビ局の映像を見つけたが、一号機の水素爆発とそう変わりなく見える。

http://www.youtube.com/watch?v=wnnWkd_g8Pw&feature=related 

 (その後、3月中に四号機の内部を写した映像は、凄惨とすら言うべきものである)。http://www.youtube.com/watch?v=SYNGxWWG6K4&feature=related
 

 以上が昨年・3月12日から15日にかけて福島第一原発で起きたことだが、当時の内閣官房長官・枝野氏は「爆発事故」とは言わずに「爆発的事象」という言葉を使い、「ただちに健康に影響はない」と繰り返した。

 原子力安全・保安院を名乗る役人たちが、驚天動地の事態の中、何の痛痒も感じていないかのような表情で記者会見に応じていた。東電も会見をやっていたが、私の記憶に強く残るのは、事故直後に「計画停電」を発表した時のことばかりである。忘れてはならないのは、原発の爆発が起きている最中の3月14日から輪番停電が実施されたことで、停電は生活に直接影響するため、関東圏の住民は関心を無理やりそちらへ向けさせられることになった(輪番停電は3月28日まで続いた)。

 東京には、遅くとも15日の午前中には放射能が来ていた。テレビでは断片的に、放射能を防ぐにはマスクだの合羽だの隙間の目張りだのと言っていたが、都民に対し、「外出時にはマスクをしなさい」とか「屋内に退避しなさい」という指示はどこからも出なかった。そのため、呼吸で放射性物質を体内に取り込んでしまい、内部被曝をした人が非常に沢山いる。「事態をなるべく小さく見せる」という、原子力災害において最優先されるらしき情報操作は、福島県民だけでなく、福一から200km以上離れた東京の人々も必要以上に被曝させたのだ。

 思い出しても腹が立つのは、15日~17日頃に見たNHKの番組で、飲み水を心配して「汲み置きの必要はありますか?」と質問した女性アナウンサーに向かって、「する必要はないけど、やりたければどうぞ」的な回答をした、どこかの大学教授である。この教授は、終始「心配しなくても大丈夫ですよ」という意味のことを言い続け、「私は今でも毎朝ジョギングしています」とうそぶいたのだ。その一週間後に、東京の蛇口から放射性物質を含んだ水が出て、それを飲むしかなかった人が沢山いたはずなのである(スーパーやコンビニの棚からは、水という水が消えていたから)。汲み置きをしておけば、汚染される前の水道水を飲んで凌ぐことができただろうに。

「笑っている人には放射能は来ません」と言って福島県の人たちを騙して歩いた山下教授ばかりでなく、国はSPEEDIによる放射能拡散予測を隠し、気象学会には緘口令が出た。日本中が情報統制下に置かれていたのが現実だった。日本核医学会は事故の数日後に「ヨウ素剤、服用の必要なし」と発表した(実際には、爆発が起きる前に服用しなければ効果がないので、「今から飲んでも後の祭りです」という意味だと私は解釈したが)。

 マスコミは、東京電力と政府が極力不利にならないような御用報道に徹した(一部のインターネット・メディアを除き)。東電が莫大な広告費を使って、マスコミの牙を抜いてきたのがよくわかる報道だった。東電が汚染水を海洋に放出した時も、糾弾するような大手メディアはほとんどなかったと思う。


 事故の衝撃が少しずつ静まってくると、今度は次から次へと、政府による愚策のオンパレードが始まった。私が許せないのは、

●福島県の子供たちを集団疎開させなかったこと(私は事故の後、疎開を当然のように考えていたのだ。すべての人を疎開させるのは難しくても、放射能に対する感受性の高い子供たちだけは移すだろう、戦時中だって学童疎開というものがあったのだから、と。大変甘かった。国にもその程度の良心はあると信じていたことになる)。

●疎開させるどころか、政府は子供たちの被曝許容量を、年間1msvから20msvまで引き上げて辻褄を合わせようとした(私はここで、怒髪天を突く思いを味わった)。

●絆、食べて応援という「愚民騙し」のキャッチフレーズを大量に流した

●飲み水と食べ物の放射能汚染の基準値をサッサと引き上げた

事故からそう日も経たぬうちに、日本政府は「危険だから警戒を呼びかける」のとは正反対に、「大丈夫だから現状を維持しましょう」と言うため、法律の書き換えとプロパガンダという卑劣な手段を取り始めたのである。さらに、被災地で取れた食糧は缶詰めにして発展途上国に売る、原発を外国に売る、地下原発議連の発足だと恥知らずは続き、

●放射能汚染された汚泥の基準値を引き上げ、セシウムが200Bq/kg以下、汚染地には1000Bq/kg以下なら肥料の原料として使用することを鹿野農水大臣は許可し
た。http://www.maff.go.jp/j/syouan/nouan/kome/k_hiryo/caesium/point.html#gensoku

 汚染汚泥を肥料として全国の畑に撒くのを農水省が許可した昨年6月頃から、だんだん私は、この国は発狂しているのではないかと思うようになった。汚染の少ない西日本や北海道の土まで放射能で汚せば、安全な農作物が作れなくなってしまうと、どんな馬鹿でも気がつきそうなものだからだ。

 それに続いて出てきた震災瓦礫の広域処理案も、専門家によって「安全確認の意味は無い」と即座に否定された原発のストレステストも、「電気が足りなくなる」と宣伝することで原子力発電を維持しようという動きも、すべて国民の生命と健康をないがしろにする愚策としか言いようがない。科学的判断ではなく「政治的判断で」原発を再稼動させるとは、またもや原発事故が起き、新たに広範囲な汚染地域ができて人々に被曝の健康被害が出てもかまわない、ということなのだ。しかも東京電力は、撒き散らかされた放射性物質は「無主物である」と主張している。東日本に飛び散った放射性物質を東電が片づける責任は無いと言いたいために。さすがに「トイレのないマンション」を経営してきただけのことはあり、彼らは「自分のお尻が拭けない人々」でもあったのだった。

 まともな判断力と倫理の持主なら躊躇するようなことばかりだが、「何が何でも原子力」の不気味な集団は、札ビラで顔を引っぱたいてきたこれまで通りのやり方を続けて、この国の将来をメチャメチャなものにしてしまいたいらしい。国家百年の計などとはあまりにも無縁な、矜持も誇りも志も見えぬ役人は、異論などは最初から受け付ける気もなく、ただ「聞いたふり」をするために、重要な会議をすべて嘘で塗り固めてきた。その一端は、以下で確認できる。

●原発と再エネの実現可能性が同列に議論される不思議(2012年03月24日・エネルギー関連有識者会議続報)http://www.youtube.com/watch?v=y0FubxH7_KE&feature=plcp 

 有識者会議には、初めから原発推進派が多く集められていた。そして、原子力発電は続けられるのかという話し合いをするはずが、いつのまにか「エネルギーミックス」という言葉のもとに、原発と原発以外の発電の割合を出すという方向に捻じ曲げられる。これを見れば、日本が民主主義だなどというのは大嘘で、愚民の意見など知ったことではないという「エリート」官僚が大半の物事を決めてきたのがわかるだろう。


 彼ら官僚と、政治家、マスコミの罪は限りなく重いが、私たち国民にも責任が無いわけではない。敢えて言うなら、社会的関心も思考力も失った現代日本の鈍感なサイレント・マジョリティの上に、まともな判断力を持たないおかしな政府が乗っかっているという、日本全体の問題なのである。福島第一原発からはあいかわらず放射能が漏れ続けていて、四号機の燃料プールの水が抜ければ昨年3月の十倍の量の放射能に襲われると言われている現状で、何事もなかったように無関心を通している日本人がかなりの割合でいることは、私の理解を超える。

「いくら金がもらえたって、病気になったり死んだりしたら元も子もない。これから育つ子供たちを守るのが大人の役目じゃないか」という正論が吹っ飛んでしまう国には、どう考えても未来はない。原発立地の市町村が再稼動を欲しがり、補助金を欲しがり、水も土も綺麗な田舎町が汚染瓦礫を欲しがっても、それを食い止めようとする力が強く働かず、かけがえのない国土を使い物にならなくしていく愚かさが今の日本人の平均値であるならば、その愚かさとともに滅びるしかないのだ。

 このような発狂国家に、もしわずかでも希望の可能性があるとすれば、それはドイツの例に学ぶことである。チェルノブイリ事故の後、ドイツの市民が立ち上がって粘り強い運動を広げていったことが、フクシマを契機に世論を脱原発へと動かして行く力になった。

「メルケル首相"脱原発"の裏側」 報道特集2012/03/24

http://www.youtube.com/watch?v=YvZOA1NizEg

さて、今日本にいるあなたや私は、どうするのだろうか?
 
                             (奈良原樹里)






★★★★

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コメント

奈良原さんの 「3,11からの悪夢」 歴史の教科書にも劣らぬ、原発爆発、真実隠しの出来事を具体的な事実としてニュースソースも紹介し、そしてそれを感受性豊かな感性の文章にして伝えてくださって、心に響きます。感謝です。
こんなに良くまとめてくださってありがとうございます。
日々起こる重大な出来事に、頭の中がパンクしそうになり、コップの水が満杯になってこぼれていくように、次から次へと忘れていきそうになる日常があります。
しかし、奈良原さんの文章は、根無し草のような日本人の覚悟なき態度に警笛を鳴らしています。今起こっている事実と真剣に向き合い、自分はどっちの立場で生きるのか、はっきりさせる事が今問われている事を教えてくれます。
取り返しが付かなくなる前に、命をかけるのは今ですね。  宮口高枝

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